お疲れ様です。
民間人のあんず@レンズ沼 (@aNzUc) | Twitterです。
先日ですが、一部(?)でかなり話題の映画、「アイドル」を観てきました。
舞台挨拶の日でしたので監督やメンバーも登壇。
監督による撮影のエピソードや、この日初めて観たというメンバーの感想や想いを聞くことができました。
それらを踏まえて私が思ったこと、感じたことなどを改めてまとめていきたいと思います。
- ◾️映画「アイドル」について
- ◾️映画アイドルは誰に向けた映画か
- ◾️アイドルグループの"成績"はCD売上枚数のみか
- ◾️映画の概念が変わったデジタルシネマパッケージ
- ◾️映画アイドルで使われた撮影機材は?
- ◾️テレビ番組を通しで観ているような映画「アイドル」
- ◾️コメントのテロップ欲しい。でもこれは映画。
- ◾️映画「アイドル」の価値とは
- ◾️さいごに
◾️映画「アイドル」について
ストーリー的には全国区アイドルグループが主力メンバー卒業に伴うグループ低迷からどう持ち返すか、という奮闘記。前半は図、テロップ多めでテレビ番組的、後半はドキュメンタリータッチな印象。前半はグループ紹介、後半は総選挙、美浜海遊祭、夏ライブ等の映像。(続く) #映画アイドル
— あんずさん📷 (@aNzUc) 2018年10月21日
映画「アイドル」は、アイドルグループ「SKE48」の"史上、最も壮絶な"2018年夏の記録映画です。
この映画の見どころとしては、
選抜総選挙1位の松井珠理奈が直後に突然の休養、彼女にに何があったのか?エース不在の中、須田亜香里をはじめ他のメンバーは何を感じ、どう行動したか。
という部分かなと思いました。
他のメンバーのサイドストーリーもあったりするのですが、
メインの部分は松井珠理奈についてです。
◾️映画アイドルは誰に向けた映画か
ふと気になった部分です。
テレビとは違い、自ら足を運ぶ映画館において重要なところだと思います。
個人的には、松井珠理奈休養に関しては、芸能ニュースでも取り上げられていたので、
「なぜ休んでいたんだろう。」と
思っていた人が観る映画かなと感じました。
実際、映画の冒頭部分はグループの紹介など
図解でわかりやすく表示されており、
新規ファン獲得を目的にした配慮も見受けられました。
現ファンや旧ファンにはこの部分は間延びした印象を受ける蛇足部分でしょう。
ただシンプルにご新規さんに配慮している映画、とも言えないようです。
◾️アイドルグループの"成績"はCD売上枚数のみか
#SKE48 #映画アイドル 観てきました 上映後、舞台挨拶での彼女らのコメントが映画が、そのまま続いている感覚で良かったですね 制作サイドにスポーツドキュメンタリー部門の方がいらっしゃるとのことで、アイドル版「バース・デイ」的な感覚でした (?)
— あんずさん📷 (@aNzUc) 2018年10月21日
#竹内彩姫 #倉島杏実 #斉藤真木子
映画アイドルを観た日のツイートです。
竹中監督曰く、製作にはスポーツドキュメンタリーを撮られてる人が多く関わってるそうで、
演出やナレーションの雰囲気も「
あの番組っぽいなw」と思わせるところが随所にありました。
個人的には全体として音効がいいなと思いました。ただその雰囲気からナレーションは敬称略の方がしっくりかなとも感じます 。#映画アイドル
— あんずさん📷 (@aNzUc) 2018年10月21日
SKE48はアイドルグループですが、そのストイックさからアスリート的な一面も持ち合わせていると私は思っています。
しかし、アイドルとアスリートを同じように描くには難しいポイントがあると感じます。
アスリートは、いい成績を取ることが評価につながります。
メダルを取った、記録を更新した、などですね。
アイドルグループではどうでしょうか。
本編では、シングル「コケティッシュ渋滞中」から売り上げは右肩下がりで、
グループ自体が低迷しているということを表現していました。
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(ちなみに「コケティッシュ渋滞中」は「ミュージックカード」と呼ばれるダウンロードコード付きカードでの音楽販売も行っており、
その売り上げの一部もCD売り上げとしてみなし、集計していた時期もあったので売り上げ大幅減少、
という感じではないようにも思います。)
ストーリーの展開的に、アスリートであれば、
「メダル候補だったが突然の成績不振→トレーニングを見直し、一からカラダを作りなおす→念願のメダルを取る」
と繋げられることに対し、アイドルだと
「売り上げが低迷したがメンバーの努力により売り上げが持ち直した」
のような"復活のストーリー"とするには難しいなと。
事実、売り上げは回復しておらず、
ご新規さんの入り口として、
「エンタメコンテンツとしての楽しめる映画」、
「アイドルが努力により夢を叶える姿に自分を重ねられる映画」、
というよりかは、
ただただ現実を切り取り伝えるという厳しい現実120分という印象でした。
◾️映画の概念が変わったデジタルシネマパッケージ
最近のSKEを観ていなかったわたしにとってはハイライト的に最近の動向が知れたのは良かったですね 6期の赤坂ライブはフルで大画面でみたかったなと 今月行われた10周年の映像も映画内にあったので、この速度感がDCPの魅力だなと感じました #映画アイドル #ske48
— あんずさん📷 (@aNzUc) 2018年10月21日
主に2018年の夏を追った「映画アイドル」ですが、
映画公開月の10月に行われた10周年記念公演の映像も収録されていました。
これはフィルムを使わずすべてデジタルカメラで撮影した「デジタルシネマ」が成せる技で、
編集もパソコンで行うため
プロセスが短縮し、大幅に時間とコストが削減。
納期まで余裕を持った収録や編集が行うことができるので
結果として10周年記念公演も収録することができました。
このデジタルシネマ(パッケージ)は、
AKB48のドキュメンタリー映画、「THE DOCUMENTARY OF AKB48 to be continued」でも活用され、
1月1日まで撮影、1月14日に納品、1月22日に全国公開という超過密スケジュールを可能にしました。
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小型軽量の機材でもクオリティの高い映像撮影できる時代、
コンテンツの新鮮さも重要になってきています。
◾️映画アイドルで使われた撮影機材は?
個人的な見所(?)は美浜のインタビューシーン。歩きながらインタビューしているのですが、手ぶれ補正がよく効いていてブレの少ないスムーズな映像だった感じがします。空間光学手ぶれ補正でしょうか。ENGやデジタル一眼ムービーではこの画は撮れなかったと思います。#映画アイドル
— あんずさん📷 (@aNzUc) 2018年10月23日
映画アイドルでは過去映像も多く使われてています。
そのため詳細な機材情報はわかりかねますが、
新規収録されたインタビューシーンや舞台裏のシーンではソニーの4KハンディカムAX60とXLR-K2Mあたりが使用されたと思います。
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民生機ではありますが、小型軽量で取り回しも良く、
新光学手ぶれ補正により
グリップをつければディレクターカメラとして十分なクオリティの映像が撮れてしまうカメラです。
マルチインターフェースシューでXLR端子が使えるのもポイント高いですね。
大型の機材で取り回し悪くなったり、
威圧感でいいコメントが撮れなくなるなら
コンパクトな機材のチョイスはとても良い選択だと感じます。
ちなみに須田亜香里さんのインタビューシーンでは、
デジタル一眼的な背景ぼかした映像になっていましたね。
ちなみに「THE DOCUMENTARY OF AKB48 to be continued」では、
当時最新のEOS 5D Mark IIを複数台と、
70-200/2.8、単焦点レンズを使ってインタビューシーンなどを収録しました。
映画というと背景をぼかした映像、というイメージがまだあるので、
終始パンフォーカスな画づくりは、
今回の映画アイドルはテレビプログラムっぽさを感じてしまいました。
◾️テレビ番組を通しで観ているような映画「アイドル」
前項で「パンフォーカスな画づくりはテレビプログラムぽさを感じる」と書きましたが、
テレビ番組っぽくみえるのはそれだけが要因でしょうか。
映画アイドルでは、松井珠理奈をはじめ、話の中心となるメンバーが何人かいます。
各メンバーをクローズアップし、本人の苦悩を本人の口からだけではなく、
周りの人物の証言を効果的に使って表現する形です。
リアリティの「バース・デイ」的でもあり、
密着感でいうと「情熱大陸」、
関係性を持たせた複数人の密着という意味では「ガイアの夜明け」
っぽくも感じました。
よく言えば満遍なく、悪く言えば散漫になってしまった感じは否めません。
個人的には松井珠理奈の一本にしちゃっても良かったかなと思いました。
総選挙のシーンではもう少し丁寧な描写と、
他メンバーのコメントが必要な気がします。
◾️コメントのテロップ欲しい。でもこれは映画。
映画には、場所や年号の説明の時にテロップが出ることはありますが、
基本的にバラエティのようなテロップはありません。
(字幕版というものはありますがw)
予算が抑えられたドキュメンタリー映画のため、
ディレクターがカメラマンをやりながら音声さんもやる、という場面も多かったと想像します。
しかも舞台裏の密着となると音声環境は過酷でしょう。
そんな中で、
「各メンバーをクローズアップし、本人の苦悩を本人の口からだけではなく、
周りの人物の証言を効果的に使って表現する」スタイルでは、
テロップが無いとキーポイントになる重要なコメントが埋もれがちになります。
個人的には一字一句聞き逃さないよう、集中して観ていたつもりでしたが、
「??」となる部分が多々ありました。
感度が高く、ホワイトノイズもかなりあったのも気になりました。
◾️映画「アイドル」の価値とは
ネガティヴな印象が続きますが、
映画「アイドル」にももちろん評価されるべきところはあります。
【1】出していいの?って思うくらい裏側の映像を収録
メンバーやスタッフにならないと見ること、知ることができないような映像が多々ありました。
(演出であってほしいと思う場面もありましたw)
メジャーアイドルとしての密着記録映像としても価値があると思います。
(見たい見たくないという問題は別ですw)
【2】大画面でライブ映像で観ることができる
映画館で見ることが前提ですがw、
デジタルシネマにより収録できた最新のライブ映像を観ることができます。
大画面で音もしっかりとしていて、臨場感もあるので、
実際に行くことができなかった人は追体験できるかもしれませんね。
【3】舞台挨拶でのメンバーや監督のコメント
終演後舞台挨拶で竹中Pが「(竹内彩姫が)あんまり話してくれなかった」という話になり、竹内彩姫が「私が話すよりも話すべき子が話した方がいいと思っている」という発言、それに対して斉藤Capが「(彩姫は)そういうところある 映画になった今後悔しても遅いし勿体ない」みたいな話になって(続く)
— あんずさん📷 (@aNzUc) 2018年10月21日
こちらも舞台挨拶限定で恐縮ですがw、
監督やメンバーの口から直接話しが聞くことができたとは良かったですね。
当日のツイートにもありますが、
舞台挨拶なのに斎藤キャプテンがメンバーに対して〝(愛のある)公開説教〟をし始めたりと
映画の続きをみているようで面白い体験でした。
◾️さいごに
グループ低迷の明快な証明としてあげてるのが売上枚数低迷、ナゴドでライブが出来ない、だったので、エンタメ映画としては苦難を乗り越えた証明としてシングル売上過去最高!とか10周年ライブでナゴドライブ開催発表!とかだったら違った演出や展開になってたのかなと思います。#映画アイドル
— あんずさん📷 (@aNzUc) 2018年10月21日
当日のツイートにも書いたように、
あの時、SKE48がナゴドライブを発表出来ていたなら、エンタメコンテンツとして良いドキュメンタリー映画になったでしょう。
そうなれば、かつての本店総監督が言った〝努力は必ず報われる〟が現実になった形です。
映画「アイドル」構想時にはもしかしたら「ナゴドライブ」が見えていたのかもしれませんけどね。
「企画がスタートしちゃったからにはしょうがない。」
という制作サイドの難儀が伝わってくる映画でもあり、
双方の苦労がダイレクトに伝わるような
心が締め付けられる映画ですw
今後、SKE48がまたナゴドでライブができるようになったら、
再編集したバージョンをテレビ番組で観てみたいと思いました。
そして、ソニーの4KハンディカムにXLRマイクアダプタ、
これは買いですねw
今回はここまでです。
読んでいただきありがとうございました。